風来ブログ

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ものづくり大国日本の抱く幻想 〜偽装問題についての見解〜

残念ながら日本製造メーカーによる製品の保証偽造・不正問題が最近多いですね。

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日本はものづくりの国だよ〜と聞いて育った世代にとってはショックな出来事では無いでしょうか。私はものづくりの世界に一時期身を置いていたので、その目線で昨今のものづくり業界について記載したいと思います。

 

目次

1、日本はなぜものづくり大国と言われるのか

2、製造業界で何が起きているのか

3、今後の業界動向

 

1:日本はなぜものづくりの国とよばれているのか。

日本経済は戦後の高度経済成長期の中で成長をしました。その成長を支えた中心にあったのがものづくり(製造業)なのです。(ちょーざっくりですが、、、)

その歴史の中で「日本=ものづくりの国」が定着したものと思われます。日本人の性質上、良いものを作る為に必要な以下気質にあっているのも成功の原因では無いでしょうか。

・改善する思考

・良いものを追求する

こちらは職人にマッチしていますね。

 

2、製造業界で何が起きているのか

昨今、IT技術のも進展しており世界間でオンタイムで情報交換が出来ることが当たり前になりました。また高品質の物を安定的に生み出す事のできる工作機械の登場や製品精度を従来よりも細かく測定できる測定器が続々登場してきております。

 

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世界標準の工作機械の登場で加工プログラムさえ分かればおおよその物は作れちゃいます。今までは日本でしか製造が出来なかった物が世界でも作れるようになりました。これにより「Made in Japan=高品質」とは必ずしも言えない状況になっていると感じております。

また大体同じ物が作れるとなると待ち構えるのは価格競争です。メーカーがどこで値段を絞るのかは様々ですので一概に言えませんがコスト削減のために行う不正は今後も起きるのでは無いかと危惧しております。

 

測定器も非常に精密になったので、昔は目や肌感でしか感じる事が出来なかった部分においてもリアルな数値を持って評価をする事が可能になりました。つまり、今までは検査でOKだった事がNGになることも出てきている訳です。そうなると、今まではOKだったので、今回もOKだよ〜というような検査方法となり検査の基準値はクリアしていないものの納品をしてしまうことも想像できます。

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3、今後の業界動向

今後は高品質の物を作るというよりは、今までに無く他社が真似出来ないような新しい物・サービスを創造する力が必要になってくると感じます。

良いものは売れるんだ!だけ叫ぶ時代は終わっているのかも知れません。。。

 

他社との差別化が明確に出来ないと競合参入のハードルがとても低くなり、ゆくゆくは価格競争に巻き込まれていく事でしょう。そうなれば、ベトナムバングラディッシュ・中国、、、と行った世界の生産工場に必ずシェアを奪われてしまいます。

 

最後に・・・

ものづくり大国日本と言い続ける事はいい事かも知れませんが、一方で現実・世界に目を向ける必要があります。”良いものづくり”という点だけを強調しただけでITとの融合が上手くできないのであれば、外資系企業に簡単にシェアを奪われてしまう事になるでしょう。製造業界の競合がGoogleになる可能性もあるのです。

 

という事で、将来の日本の製造業界を担う方は相当厳しい環境に身を置く事になるかと思いますが、マイナスばかりでは決して無いと思うので新たな価値を創造して頂きたいと思います。